シエスタ通信<Siesta Journal>は、SAVON de SIESTAより季節毎に発行している読み物です。毎号テーマに沿って、わたしたちが大切にしていることや、製品ができるまでの物語をご紹介しています。この冊子をウェブでもご覧いただけるようご用意しました。
※vol.0 号は2017年7月25日発行です。
『奇跡の木』モリンガの森を訪ねて
- フィリピン Joy of Health 農園からの景色
世界最高品質の美容オイル『シエスタオイルセラム=モリンガ=』の原料産地であるフィリピンの農園には、神様への誓いを大切にし、心豊かに働く人々の笑顔がありました。私たちが大切にしている『顔の見えるものづくり』から見えた、『モリンガのふるさと』をご紹介します。
- 無色透明で香りもないモリンガシードオイル。この一滴が驚くほど肌になじみます。
わたしたちがモリンガオイルを知るきっかけとなったのは、お取引先のオイル商社・S社長が持ってきてくださった小さな瓶。その瓶の中には、無色透明で香りもなく、とにかく純度が高そうだなと感じるオイルが入っていました。
「モリンガ?」はじめて聞く名前に戸惑いつつも、スタッフで試してみたところ、翌朝「このオイル良すぎます!」と感動の声が。最終的にはスタッフ全員で社内モニターする形となり、「口の周りの小じわが目立たなくなった!」「肌にハリが出る!」と皆それぞれ大絶賛。あっという間にスタッフ全員がモリンガオイルの虜になってしまったのです。
そして、この素晴らしさをお客様に届けたいという思いで、サボンデシエスタ初めての美容オイル製品『シエスタオイルセラム=モリンガ=』が誕生しました。おかげさまで発売と同時に社内が嬉しい悲鳴をあげることとなり、どうやら私たちの感動はお客様にも伝わったようです。
S社長にこのことを報告すると、「世界最高品質のモリンガオイルですから!」とのこと。さらに、「本当のモリンガを知るためには、フィリピンの農園に行かなくっちゃ。モリンガの木の下で感じる幸福感を知ってほしいなぁ」とおっしゃるのです。オイルの専門家として、農園への技術指導から輸入まで一手に引き受けているプロ中のプロが、モリンガの木の下で感じる『幸福感』とは一体どんなものなのでしょう?S社長のロマンティックなひと言に、わたしは「絶対にフィリピンに行こう」と決意したのです。
モリンガはアーユルベーダで三百もの病気を予防すると言われるスーパーフード。化粧品原料としても世界中で注目されています。
ジョイ・オブ・ヘルス(健康の幸せ)農園へ
そもそもわたしたちにとって、『顔の見えるものづくり』は、大切な活動方針のひとつです。これまでも、原料生産地にはできる限り足を運び、その場所の空気、作り手のお話を伺うことで、目から鱗が落ちるような体験をたくさんさせていただきました。その経験は、より良い製品づくりや、お客様へご紹介するときに、とても役立ってきたように思います。
そんなわたしたちの初の海外視察は、2017年5月13日から4日間、フィリピンのイロコス・ノルテ州にある「健康の幸せ」という意味を持つ『ジョイ・オブ・ヘルス農園』となりました。S社長はもちろん、数ある農園から『ジョイ・オブ・ヘルス農園』を見つけ出し、フィリピンでフェアトレード活動も行なっているガールズ・ビー・アンビシャスの山田麻樹さんもご同行くださいました。現地の言葉を自在に操る山田さんのおかげで、農園のみなさんと、言葉の垣根を超えた交流ができました。
『モリンガの木の下の幸福感』は、環境や原料の品質が素晴らしいという理由だけではなく、関わる人たちの高い志や素晴らしい人柄があるからこそ感じられるものなのだと、旅を振り返り感じています。このシエスタ通信特別号を通じて、私たちが大切にしている事が皆様に伝わればうれしく思います。
- S社長(左から2番目)・山田さん(右から2番目)・農園代表のユニスさん(一番右)
熱気のあるフィリピン
2017年5月13日深夜着。ニノイ・アキノ国際空港は、人・人・人!人口約3千万人のマニラは、想像以上の大都会でした。湿度を含む空気、日本とは違う人々の熱気を感じました。
翌朝、マニラを散策していて驚いたのは、日本よりもオーガニックの農産物や製品への関心が高いこと。豊かな品揃え、のんびりとした南国の時間の流れを楽しみながら過ごしました。マーケットでは、現地の方が作っているヤギのミルクを使った石鹸を思わず購入してしまいました(笑)。
四十度近い暑さに体が慣れ始めた頃、飛行機でさらに約一時間、私たちの使うモリンガを生産しているジョイ・オブ・ヘルス農園のあるイロコス・ノルテ州へ到着しました。マニラとは雰囲気ががらりと変わり、緑豊かなのどかな風景が広がっていました。モリンガは街路樹としても植えられていて(中には樹齢百年を超える立派な木も!)、土地に根付いた植物ということを改めて感じました。
- Joy of Health農園のスタッフの皆様と代表のユニスさん(左から3番目)
神様への3つの約束
迎えてくれたのは、農園代表のユニスさんと牧師でもある彼女のお父様、そして「ハロー!」とはにかみながらあいさつしてくれた、明るい雰囲気の12人のスタッフのみなさん。夫婦や親子で働いている方も多く、互いに励ましあって仕事を頑張っている、アットホームでのびやかな空気を感じました。製品を使ってくださっている日本のお客様の感想をお伝えすると、本当に嬉しそうな笑顔でした!
モリンガは、フィリピン政府が栽培を推奨しています。そのプロジェクトに関わっていたユニスさんは、2010年に自ら農園を立ち上げました。そのときに『神様への3つの約束』をしたそうです。
1.高い品質を追求すること
2.成功するまであきらめないこと
3.スタッフの暮らしを守ること
そう語る彼女の姿は輝いていました。数あるモリンガの中でユニスさんの農園のものを扱えることを幸せに思い、私も頑張ろう!と、背筋が伸びた気持ちがしました。
植物オイルの搾り方、実は2種類あるってご存知でしたか?
植物からオイルを搾り取る搾油の方法には、昔ながらの『低温圧搾法』と薬剤を使う『ノルマルヘキサン抽出法』という方法があります。
ヘキサンは、石油系有機溶剤で、毒性のある薬品です。それを原料にかけて油分を溶かし出していきます。収量が高いので、現在では主流の方法ですが、とても化学的…。それに対して、『ジョイ・オブ・ヘルス農園』でも用いられている『低温圧搾法』はいたってシンプル!原料の油脂や果実に圧力をかけて搾ったオイルは植物特有のフレッシュな香りがして、良質な成分がたっぷりと含まれています。
お肌に直接ふれるものだから、モリンガオイルだけではなく、サボンデシエスタで使うオイルは、すべて『低温圧搾法』のオイルにこだわり選んでいます。
最終工程は日本で。
フィリピンで搾油したモリンガオイルを仕上げるのは、日本の技術。誇れる技術力がたくさんある日本ですが、オイルの精製についても世界最高品質を作り出せる素晴らしい技術力を持っています。
オイル純度にこだわることは、心地よい肌馴染みをより一層高めるということだけではなく、製品の安定性を高めるという側面も持っています。自然素材からいただいた素晴らしい成分を、世界最高の状態でお届けする無色透明・無臭の美しいモリンガオイル。
精製したモリンガオイルを、フィリピンの農園スタッフに試してもらうと、皆「同じものとは思えない!」と驚き、そして大変喜んでくれました。
未来につながるモノづくりを
まだ日本ではそれほど知られていないモリンガですが、オイルの美容効果の高さはもちろん、栄養価の高い葉がハーブティーとして利用されるなど、『奇跡の木』として注目されています。また二酸化炭素を吸収する能力も高く、一般的な植物に比べると、20倍もの吸収力があると言われています。
あるひとつの植物が注目されると、多くの方が知るきっかけとなる一方で、無計画な栽培と伐採が繰り返され、産地が荒れてしまうことが今までも問題視されてきました。そういった過去の経験から、『イロコスモリンガ協会(※)』が立ち上がりました。産地の環境や働く人の暮らしを守りながら、より良い品質の製品を作り、未来につながるフェアトレードや社会貢献活動にも力を入れています。私たちサボンデシエスタも協会に加盟しています
※イロコスモリンガ協会 公式サイト
http://ilocosmoringa.j/
イロコスモリンガ協会が推進する社会貢献活動
1 環境保全活動(植樹など)
2 働く人々の暮らしを守る(適性対価)
3 子供たちの未来をつくる(教育活動)
4 研究開発(より良い品質や製品の創出)
モリンガの植樹を続けていきます。
わたしたちが植樹してきたのは百本のモリンガ。植樹は挿し木で行われます。切り口からぽたりぽたりと水があふれ、生命力を感じます。植樹は、乾季から雨季に変わる五月中旬から下旬に行われ、まさに私たちが訪問した時がベストタイミング。植樹を終えた直後にスコールとなり、「恵みの雨だね」、と皆で笑いあいました。上手く根付けば、数週間後にはもう葉が出て、来年の三月には種子の収穫ができるはずです。
フィリピン、そしてイロコス・ノルテ州は、のびやかでとても素晴らしい場所でした。これからも農園や、植樹した木々のその後などをご紹介していきたいと思っています。
『モリンガ』とは?
"奇跡の木""薬箱の木"と呼ばれ、多くの地域で人々の健康を支えて来た歴史のある植物。近年では、その高い栄養価と二酸化炭素吸収力が世界に認められ"次世代のスーパーフード"として注目されています。モリンガの種から採れるモリンガシードオイルにも、お肌を健やかに保つ成分がたっぷり!
ご使用方法 化粧水で整えたお肌に、1~4滴なじませてお使いください。
酸化しにくいオイルです。日中のケアにも、ヘアオイルとしても安心してお使いいただけます。
香り:無香料 原料:ワサビノキ種子油 (モリンガシードオイル100%)
内容量:20ml ※朝晩にお顔に使って約2ヵ月半分のご使用目安です。
価格:4,000円(税抜)
※パッケージデザイン・販売価格等、仕様変更になることがございます。
※今後、石鹸などモリンガの関連商品も作っていく予定です。
- 18年ぶりの海外!!電車トラブルであわや出発できないというピンチも乗り越え、無事に出国!!
- マニラのオーガニックマーケット視察。モリンガの葉(写真手前)も野菜として売られていました。
- バジルペーストのような『モリンガペースト』。味見をさせてもらって「おいしい!」とお気に入りに。
- Joy of Health農園のみんなにプレゼントしたオレンジ色のTシャツ。ユニスパパの明るい笑顔にぴったり!
- スペイン統治時代に立てられた教会は世界遺産に認定されているものも多く観光も楽しめます!
- カトリック教徒が80%を超えるフィリピン。教会はオープンな雰囲気。床のタイルが素敵で思わずぱちり。
- ユニスの作るランチは、野菜がたくさんで絶品!!働くようになって健康的になったスタッフもいるのも納得。
- タクシー台数を規制するため、イロコスノルテでは馬車が日常の交通手段として現役なのにびっくり!
- ユニスのオフィスに置かれていた分厚いモリンガ辞典。農園をゼロから立ち上げた努力を感じました。